高温で燃焼させる焼却炉は耐久性にも様々なノウハウをつぎ込んでいます。
焼却炉がごみを燃やす機械です。しかもミヤビL+WIDE型は、現在の法律に合わせた高温による焼却を行う機械です。
そこには圧倒的な熱や酸との戦いが存在します。
長年の試行錯誤の末に得たノウハウの全てをつぎ込んだ、ミヤビL+WIDE型は抜群の耐久性を誇ります。
水冷方式
ミヤビL型は熱に圧倒的に強い水冷式です。
燃焼室全体を、水冷ジャケットによりおおってあり、カロリーの高い廃プラスチックなどの焼却や、長時間の焼却でも安定してご使用できます。
安価な耐火コンクリート壁の炉の場合、1日3~4時間以上の焼却を毎日連続して行うと、炉内の温度が上昇しすぎて、あっという間にボロボロになったりする例が見受けられるようです。
その点、水冷式の炉の場合、常に均一な熱交換を行っておりますので、その耐久性は毎日の使用時間にはあまり左右されず10年~15年以上になります。
(焼却する物等の条件により多少変化します。おもに塩素系のプラスチック類を継続的に焼却しますとその酸化ガスにより鉄板の腐食が促進されいちじるしく耐久性を損なう場合があります。ご注意ください。)
厚い鋼板
燃焼室内壁には、9mmの厚い鋼板を用いています。
焼却炉の燃焼室は水冷式とはいえ、熱や酸により、どうしても徐々に鉄板は薄くなっていきます。
この問題への答えとして、シンプルに「厚い鋼板を用いる」ということにより耐久性を確保しています。
それゆえ、本体の重量も小型焼却炉の域を越えた4トンにも達しています。
この重量感は、すなわち焼却炉の堅牢さに直結しています。
また、ステンレスは使用しておりません。
確かに鉄よりも熱や酸に強いのがステンレスの長所です。
しかし、鉄に比較していちじるしく柔軟性にかけ(要するに硬い)、熱により膨張したときの亀裂が発生しやすいことが致命的であるため、通常ボイラーや水冷の炉には使用しない事が常識となっています。
スケール除去用点検口
炉体下部には、スケールを除去するための点検口を2ヶ所設けてあります。
スケールとは、炉体冷却用に使用される水に含まれる、カルシウムやサビなどが固形化した、湯の花のようなもののことを言います。
冷却水は、焼却による熱により沸騰、蒸発します。
この蒸気はカルシウムやサビ等を含まないきれいな水であり、炉体には少量ずつですが、残り物であるスケールが残留、堆積していきます。
スケールの堆積がひどくなると、冷却水による熱交換がうまくいかなくなり、空焚きのような状態になり、炉壁の老化をいちじるしく早めてしまいます。
それを防止するために、定期点(2~3年に一度)に点検口を開け、水冷壁内のスケールをかき出し、除去できるように点検口を設けてあります。